<映画「稲村ジェーン」のレコーディング現場>
サザンオールスターズのデビュー記念日に映画「稲村ジェーン」のDVD、Blu-rayが発売されます。今までLDとVHSで販売されましたがDVD、Blue-ray化はされておらず配信もありませんでした。
監督桑田佳祐、サントラのレコーディングに参加しました。
初めての桑田さんとの仕事でした。
先ずは挿入歌のレコーディング、何曲か既に始まっておりました。
そしてサントラのレコーディング、
映画の方の撮影は既に進んでいてその画に合わせて曲を録音したり効果音(音効さん以外)を入れたり。
サザンのメンバーに加え、アレンジ、キーボード小林武史、ギター小倉博和、エンジニア今井邦彦、アシスタントエンジニア平沼浩司、シンセプログラマー角谷仁宣、他曲によりさまざまなミュージシャンをお呼びしてのレコーディングです。
小林武史さんはそれまでアルバム「Keisuke Kuwata」の共同プロデュースや大貫妙子さんのプロデュース、様々なアーティストのキーボード、アレンジ、プロデュースで徐々に名を上げつつある途上で、未だMr. ChildrenやMy Little Loverのプロデュースや小泉今日子の「あなたに会えてよかった」を作る前、TK時代の少し前です。
小倉博和さんは今でこそ日本を代表するギタリスト、プロデューサーですが、当時はアイリーン・フォーリーンと云うバンドのギタリスト、ガムテープで穴を塞いだガットギターを抱えサンダルで、実家が家具屋と云うことでその技術を生かした箪笥スピーカーを自作し持ち歩いておりました。
ご覧頂ければ分かりますが、小倉さんのガットギター無くしてはこの映画は成り立たないくらい大活躍でした。
皆さん若く、そしてひたすら一生懸命でした。
最初に取り掛かったのは「真夏の果実」。
レコーディングの始まった日、アミューズの大里会長(当時)が様子を観に来ました。私は初対面だったのですが、当時使っていたMac SEを見て、会長「何これ?」、私「マック、パソコンです。これに演奏させます。」、会長「こんなので音楽作って面白いの?」、私「はぁ」心の声(そう言われても)みたいな会話がありました。
そして「希望の轍」、「稲村ジェーン」そのあとサウンドトラックの録音、そしてアルバム「稲村ジェーン」へ、桑田さんのアイデアで映画に使われていない曲を数曲追加し「サントラ」にとどまらない「アルバム」というカタチになりました。
30年振りにこの映画を観ることが出来るのが楽しみです。
Yoshinori Kadoya
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